理事提言/新事務所への移転にあたって  PDF

理事提言/新事務所への移転にあたって

 京都府保険医協会は、医療の充実、保険医の権利・生活・医療安全・社会保障制度の成立など様々な分野で活動を行ってきた歴史があります。今回、京都府医師会館の新築立替に先立って、協会は新しく烏丸蛸薬師に新事務所を移転しました。協会の今までの歴史の上に立ち、会員のため、日本の医療のために職員一同が切磋琢磨し、より力強い活動に向けて出発する所存です。京都府医師会とも必要なことは話し合って協力していくとともに、協会独自の活動を多方面へ展開していきます。

 新事務所は四条烏丸に近く、京都市営地下鉄、阪急電車、市バス等の利便性があります。人の往来の多さや駐車場を気にされる方もいらっしゃいますが、コインパーキングも多く、平日はまず車を止めるのに苦労することはありません。これは12年間、四条烏丸に住んでいる私の実感です。

 様々な会議や研究会等、休日の催し物への会議室の利用についてもできる限り協力していく方針です。新事務所についてのご意見やご要望がありましたら、協会事務局に連絡していただければ、できる限りの対応をしていきたいと思います。

 今日、医療は多くの課題があります。最近では厚生労働省の「政策コンテスト」で、指導・監査に犯罪捜査のプロである警察庁や、警視庁からの出向者を活用する提案が現役の指導管理官から出され、医療関係者を犯罪容疑者扱いする提案がありましたが、容認できないことです。多くの医療関係者は、患者さんが良くなるよう努力しており、医療過誤やミス、安全対策で問題が生じた事件もありますが、最初から何らかの悪意を持って医療に携わることはありません。これに対し、協会は直ちに厚生労働省へ抗議声明を提出しました。

 また、今回の参議院選挙での世論調査でも難病、認知症、重度の介護者を支えている家族の話や、国民も圧倒的に、安心して暮らせる生活を求めており、その財政問題を心配しています。福祉の問題、介護制度の充実、高齢者をはじめとする保険料や年金の問題など、これから社会保障をどのような形にしていくかを国民全体で考えていく時代にきています。

 このように、協会の活動はますます重要な課題に直面しており、新事務所への移転とともに、多くの議論と発想を持って心機一転取り組んでいきたいと思っています。

(経営部会・坂本 誠)

ページの先頭へ