理事提言/会員の結束固める共済制度へ  PDF

理事提言/会員の結束固める共済制度へ

経営部会 山田一雄

 京都府保険医協会の休業補償制度は、他府県に先駆けて制度が構築された。そのため、保団連休業保障制度とは別に運営されている。金融市場においては、在日米国商工会議所(略称:ACCJ)の強い規制緩和要求が長年行われていたが、1990年代の終わりに起こったオレンジ共済事件(ほとんど詐欺。出資された資金のほとんどは回収されなかった)を発端として保険業法が改定された。このことで、自主共済制度への監督が厳しくなり、数年にわたって保団連休保は新規加入者の募集ができないという状態に陥った(京都協会の休補制度は保険会社の商品を基本に制度設計しているため、この困難はのがれた)。
 現在、金融庁との粘り強い交渉の結果、保団連休保は順調に運営されているが、振り返って考えると自由貿易協定(FTAやEPA)について考えるきっかともなったできごとであった。
 保険医年金は京都協会からはじまっており、生命保険会社と共同で制度設計を行っていたため、上記のような困難に対面することはなかった。しかしコンプライアンス遵守の名目のもと、保険医年金も加入資格要件の見直しが求められ、変更を余儀なくされた。結果、家族従事者らの新規加入が停止された。おそらくこれも先に書いたオレンジ共済事件の余波で規制が厳しくなり、また所謂「世間の目」も厳しくなったための自己規制であったと思われる。
 保険医年金の会員資格要件を医師以外に広げることについては、更に議論を深める必要がある。しかし、コンプライアンスに違反しない範囲であれば、加入資格を医師会員に限定せず、広げてもいいのではないか。少々大袈裟であるが、ともに医業に携わる者たちの結束や熱意を高めることにもつながるので結構なことではないかと思う。

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