現行制度の理念・到達目標は維持/臨床研修見直しで文科省・徳永局長
文部科学省高等教育局の徳永保局長は2月20日、衆院予算委員会第4分科会で、厚生労働省との合同検討会での臨床研修制度の「意見の取りまとめ」について、「医師としての人格の涵養、基本的な診療能力の習得という現行の制度の基本理念、到達目標は維持されている」との認識を表明した。「幅広い診療能力が身に付かないのではないか」とする岡本充功氏(民主)の質問に答えた。
岡本氏は、検討会の意見の取りまとめについて「臨床研修制度の成果を見ずに変更するのはおかしい」「(選択必修となった)外科、小児科、産科なども地域診療をする上で、夜間診療上必要な診療科。妊娠中の患者に出してはいけない薬を把握できていない病院に行きたくない」などと問題視した。 これに対し、厚労省の中尾昭弘大臣官房審議官(健康、食品安全、医療人材、国立病院担当)は「これまでの仕組みは、多くの科をローテートするというメリットはあったが、一律に決まった診療科を課すことは、(希望の診療科を決めている研修医の)モチベーションの低下につながるとの意見もあった」とした。
このほか、岡本氏は「労災などに加入せず医療行為を行う大学院生がどのくらいいるのか」と質問した。徳永局長は「208年10月の調査では、診療に従事する国公私立大学院生の55.1%が雇用関係を結んでいる」と述べ、残り約45%が雇用関係にない(労災加入していない)ことを明らかにした。(2/23MEDIFAXより)