特養の居室定員、省令基準は「1人」に/地方分権一括法受け
厚生労働省の社会保障審議会・介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東京大名誉教授)は7月28日、地方分権を推進する「地方分権一括法」の成立・公布に伴う省令改正を了承した。自治体が設定できるようになる特別養護老人ホーム(特養)の居室定員について、省令上の基準は「1人」と定めることにする。各自治体はこの基準を参酌して独自に設定する。厚労省は特養の個室ユニット化を推進する方針を打ち出しており、同分科会でも推進強化の必要性を指摘する声が上がっていた。
「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(地方分権一括法)では、省令で定めている介護サービスの指定基準などを自治体の条例で定められるようにする。ただし、省令改正を行い、条例で定める介護サービスの指定基準を(1)省令に従うべき基準(2)省令を標準とする基準(3)省令を参酌すべき基準―の3類型に分類。「従うべき基準」に分類された基準は、省令が条例の内容を直接的に縛るため自治体の裁量で設定することはできない。「標準とする基準」については、合理的な理由がある範囲内で自治体が地域の実情に応じた内容を設定することができる。「参酌すべき基準」は、自治体の裁量で内容を決めることができる。
職員数に関する人員配置基準などは「従うべき基準」となる。一方、特養の居室定員については「参酌すべき基準」となるため、自治体が独自に設定できるようになる。
特養の居室定員をめぐっては、「参酌すべき基準」となることを見越して、同分科会が省令上の基準を「1人」とするよう検討すべきとの取りまとめをしていた。
厚労省は現在、省令改正に向けたパブリックコメントを実施している。(7/29MEDIFAXより)