特定看護師試行、委員の現地視察も検討/チーム医療推進会議
厚生労働省のチーム医療推進会議(座長=永井良三・東京大大学院医学研究科教授)は4月18日、特定看護師(仮称)業務試行事業の指定施設で行われる事業内容について、施設の担当者らから報告を受けた。各施設が自らの取り組みを適正に評価し、厚労省への報告書に反映させるため、同会議の委員らが現地を訪れるなどの対応を検討することでまとまった。永井座長は会議後、取材に「どういう体制でできるかについて厚労省の意見を聞きたい」と答えた。
同事業は、施設が「特定看護師養成調査試行事業実施課程(修士・研修)」を修了した看護師を受け入れ、修得した業務や行為を実際に試行させることができる。指定を受けた施設は7月と11月、年度末の計3回、事業の評価をまとめた報告書を提出しなければならない。厚労省は4月13日に開かれた「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG)」で、申請に関する審査を済ませた4施設を明らかにしたが、1施設が申請を取り下げたため、この日は医療法人小寺会(大分県)の佐伯中央病院と介護老人保健施設「鶴見の太陽」、飯塚病院(福岡県)の取り組みについて意見を交わした。
各施設が示す報告書は、特定看護師が担うことになる「特定の医行為」に関する議論に活用するため、施設が自らの取り組みを適正に評価できる方法をどのように担保するかについて意見が出た。「仲間(施設)が仲間(看護師)を適切に評価できるか」(半田一登委員=日本理学療法士協会長)、「第三者評価でやることが重要ではないか」(堺常雄委員=日本病院会長)などの意見を踏まえ、施設の取り組みに理解を深めるために現地視察を行う案などが出た。
永井座長は会議後、「今後、具体的に何ができるか検討する」と前置きした上で「とにかくWGや会議のメンバーが現地に行って見てくる。各施設でどのように行われているか、現場を見れば分かるはず。われわれが必要と感じた注文を出したい」と述べ、現地入りを視野に入れた対応を示した。(4/19MEDIFAXより)