特定疾患療養管理料 算定要件改善求める 会員実態調査に基づき厚労省交渉  PDF

特定疾患療養管理料 算定要件改善求める 会員実態調査に基づき厚労省交渉

 協会は3月17日、今国会に提出された「医療保険制度改革関連法案」ならびに「特定疾患療養管理料の算定要件及び7種類以上の内服薬投薬を行った場合の算定制限」に関し、厚生労働省への直接要請を行った。協会からは鈴木卓保険部会担当副理事長が上京し、厚労省の姿勢を質した。厚労省からは、保険局医療課課長補佐の田村圭氏、医療課企画法令第一係長の千田崇史氏、医療介護連携政策課・医療適正化対策推進室主査の西川貴清氏、国民健康保険課企画法令係の岩住和弘氏、高齢者医療課企画法令係の荻野朋恵氏、保険課企画法令第一係の淺野優歩氏が出席した。

医療保険制度改革で要請

 懇談にあたり、協会からは二つの書面を国側に提出した。一つは「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案についての意見と質問」、もう一つは「特定疾患療養管理料の算定要件及び7種類以上の内服薬投薬を行った場合の算定制限に関する要請書」。
 前者は、市町村国保都道府県化にあたり、2017年度以降毎年定額で投入される3400億円の追加公費について評価しつつ、(1)保険給付に対する定率国庫負担引き上げ(2)負担増の中止(3)新設される財政安定化基金による財政措置を貸付でなく交付を原則とすること(4)都道府県医療費適正化計画見直しによる医療費支出の「目標化」反対(5)紹介状なしの大
病院受診等の「選定療養義務化」中止(6)患者申出療養創設反対 など多岐にわたる内容。とりわけ、患者申出療養については有害事象発生時に患者や医療機関の自己責任ばかりが取り上げられることのないよう、国としての補償の枠組みを創設するよう要請。医療保険制度改革は、医療費抑制ではなく医療保障制度としての機能強化を求め、意見交換した。

特定疾患療養管理料算定要件の改善求める

 後者は、診療報酬の特定疾患療養管理料をめぐり、本来「自院」での取り扱いであるはずが、「他院」の医療機関を退院した日から1カ月以内に外来受診した再診患者に対して同管理料を算定したところ減点が相次いでいる件について、会員実態調査データも示し改善を求めた。同時に、前回改定以来の要求である「7種類以上の内服薬を投薬した場合の算定制限」についてあらためて撤廃を要請した。
 これに対し厚労省側は、とりわけ特定疾患療養管理料に関する要望について、資料に目を通しながら「初めていただいた意見だ」と述べた上で協会の訴えに耳を傾けた。協会は、「現状を続けていくならば、地域の診療所としては、退院後の患者の管理ができないという気持ちが高まり、機能分化と逆行する」と早急な検討を求めた。
 懇談終了後は衆参国会議員会館の京都選出全国会議員の部屋を訪問して同様の要請を行い、倉林明子議員(参・共)、穀田恵二議員(衆・共)、福山哲郎議員秘書(参・民)に直接要請した。

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