特定健診実施率、2年連続目標下回る/全国健康保険協会  PDF

特定健診実施率、2年連続目標下回る/全国健康保険協会

 全国健康保険協会運営委員会(委員長=田中滋・慶応大大学院教授)は7月26日、2009年度の特定健診・特定保健指導の実施状況(速報値)などを盛り込んだ事業報告書を了承した。特定健診項目を含む生活習慣病予防健診の受診率は、被保険者が38.3%(前年度比2.4ポイント増)、被扶養者が12.2%(同1.0ポイント増)で、いずれも旧政管健保で掲げた5カ年計画の目標値を2年連続で下回った。

 特定保健指導の実施率は、被保険者が4.8%(同3.9ポイント増)、被扶養者が0.4%(同0.4ポイント増)となっている。

 旧政管健保では、12年度の実施率目標として、特定健診70%、特定保健指導45%を掲げていた。目標に達しなかった理由として、報告書では「ほかの保険者と異なり、事業所の規模が小さく、かつ広い地域に点在しており、効率的な特定健診の受診勧奨や保健指導が難しいという事情が背景にある」と指摘。被保険者の実施率向上に向けて、国の定めた電子的様式以外でも健診結果を取得できるようにするシステム改修や、被扶養者に対しては受診券を直接送付するなどの取り組みを挙げている。

●レセプト点検や後発品使用の数値目標

 報告書の総括では、今後の運営についても言及し、医療費適正化をはじめ、経費の節減や業務改革などに重点を置いた中期ビジョンを策定する考えを盛り込んだ。医療費適正化の具体策として、10年度事業計画でレセプト点検や後発医薬品の使用促進に関する数値目標を掲げるとした。さらに、近年、給付費の伸びが大きい傷病手当金や柔道整復師療養費の現金給付に関する審査の強化にも重点的に取り組むとした。

●医療・介護で4830億円赤字

 09年度決算報告書も了承した。健康保険勘定は、収入の中から準備金戻入と短期借入金を除く収支が4830億円の赤字。赤字額は医療分が4619億円、介護分が211億円となる。船員保険決算(10年1−3月分)は収入233億円に対し、準備金繰入を除く支出は146億円となっている。(7/27MEDIFAXより)

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