特定健診受診率38.3%にとどまる/初年度、厚労省まとめ
厚生労働省は8月25日、2008年度の特定健診・保健指導の実施状況を発表した。特定健診・保健指導制度の初年度の対象者は約5190万人。うち受診者は約1990万人で実施率は38.3%にとどまった。受診者のうち特定保健指導の対象となった人は約394万人(健診受診者の19.8%)、特定保健指導を終了した人は約31万人(保健指導対象者の7.8%)だった。
08年度から開始された特定健診・保健指導制度では、実施主体である保険者は実施状況について毎年、社会保険診療報酬支払基金に報告することになっており、厚労省は3519保険者からの報告を取りまとめた。
特定健診の実施率は組合健保と共済組合で50%以上と高く、市町村国保、国保組合、全国健康保険協会は30%程度、船員保険は20%程度にとどまった。組合健保などが高い理由について厚労省保険局総務課医療費適正化対策推進室は「実際に働いているところで受診できることから受診率が高くなっているのではないか」としている。
特定健診受診者のうち、特定保健指導の対象基準となるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者割合は14.5%、予備軍は12.4%となった。
08年4月から施行している医療費適正化計画では、12年度には40−74歳の特定健診対象者のうち70%の受診を目標としている。初年度の受診率が38.3%にとどまったことについて、厚労省は「やや実施率は低くなっているが、実施率向上に努力していきたい」としている。
初年度の実施率が低調だった原因については「集合契約や協会けんぽの被扶養者の受診券、事業主健診のデータの取り込みと問題は見えている」とした。(8/26MEDIFAXより)