特定健診受診率、市町村国保で29%/当初目標は下回る見通し
2008年4月から開始された特定健診制度で、同年11月末時点の受診率が市町村国保実施分で約29%にとどまっていることが3月2日、厚生労働省の調査で分かった。厚労省が同日、都内で開かれた「健康日本21推進国民会議」で報告した。各市町村国保保険者ではそれぞれ実施計画で受診率の目標を設定しており、08年度は平均で35%。目標は下回る見通しとなった。
厚生労働省健康局保健指導室の報告によると、回答があった1757保険者の受診率の平均は28.8%。受診率の階層別に保険者数を見ると、20−30%未満が487保険者(27.7%)と最も多く、30−40%未満が453保険者(25.8%)、10−20%未満が379保険者(21.6%)と続いた。50%を超える保険者が104(5.9%)ある一方、10%に満たない保険者も100(5.7%)あった。
特定保健指導の実施率は、積極的支援で21.5%、動機付け支援(40−64歳)で28.5%、同(65−74歳で24.1%だった。各市町村国保保険者の実施率の目標平均は23%で、動機付け支援では目標を達成したが、積極的支援ではわずかに下回っている。
また、受診率の低迷や関係省令の改正などを受け、市町村国保保険者の約3割が特定健診実施計画の見直しを予定していることも分かった。実施計画を「見直す予定」と回答したのは534保険者で、回答があった1795保険者の29.7%。計画を「すでに見直した」と回答した95保険者(5.3%)を含めると629保険者(35.0%)に上った。
「見直した」「見直す予定」とした理由(複数回答)として最も多かったのは、「75歳の誕生日を迎える年度でも、誕生日を迎えて後期高齢者医療制度の被保険者となるまでは特定健診の対象者とした省令改正への対応」で、36保険者(58.2%)。受診率の低迷などから「実施方法の変更」を挙げたのは320保険者(50.9%)、「数値目標などの変更」は181保険者(28.8%)だった。(3/3MEDIFAXより)