特定健診への対応が経営のカギ/医師会共同利用施設総会
9月6日に開かれた全国医師会共同利用施設総会の第2分科会(検査、健診センター関係) では、特定健診・特定保健指導の開始に伴って経営環境が大きく変化している状況が報告された。センターでは、健診や会員施設からの代行入力などの受託を始めているものの、これまでの健診単価に比べて特定健診の基本健診部分の単価は低下しており、収益確保の困難さを訴える意見が相次いだ。また、特定健診の行政窓口が一本化されていないことによる調整の困難さも指摘された。一方でシンポジストや会場からは、日医に対して、特定健診・保健指導の制度改善を求める場面もあった。
岐阜市医師会の高井國之理事は、特定健診の受診率が低い状況も指摘した。岐阜市国保の特定健診・保健指導は6月からの3カ月にわたって行われたが、対象8万9000人のうち、実際に受診したのは2万3000人で、市が見込んでいた受診率30%を大きく下回ったことを報告。受診率が低い要因の1つとして、自己負担の存在や被用者保険では個々の保険者で金額もまちまちであることを挙げた。
一方、コスト削減の一環として、検査用試薬の共同購入も検討していることを報告。試算では現在の試薬コストの20%程度が削減できるとした。ただ、薬事法をはじめ法規制をクリアする必要があるため、実現に向けた検討を今後も続ける考えを示した。(9/9MEDIFAXより)