特別枠に「在宅医療・介護の推進」/概算要求で厚労省
厚生労働省は、2012年度予算の概算要求基準で設けられた7000億円程度の特別枠への要望事項として「在宅医療・介護の推進」と「医療イノベーションの推進」に関する施策を盛り込む検討をしている。必要な医療・介護サービスを施設ではなく生活の場で受けられる体制を構築することや、日本発の革新的医薬品・医療機器の創出を後押しして、健康長寿社会の実現や経済成長への貢献を目指す。9月21日に開かれた民主党の厚生労働部門会議で示した。
9月20日に閣議決定された概算要求組み替え基準によると、各省庁が裁量的経費などを一律10%削減する代わりに、削減額の最大1.5倍に当たる金額を「日本再生重点化措置」とうたった特別枠に要求できる。厚労省の削減額は706億円のため、最大1059億円を特別枠に要求できることになる。
厚労省が特別枠への要望を検討している事項は、在宅医療・介護と医療イノベーションのほか、「現役大学生の就職促進」「待機児童解消の推進」―の計4点。部門会議終了後に会見した梅村聡副座長は「明日(9月22日)のコアメンバー会議で、部門会議としてどの事項を特に重点的に押していくのかを詰めたい」と述べた。
厚労省はまた、一律10%カットの経費削減のため、行政事業レビューによる検証や、行政刷新会議と省内の事業仕分け、独立行政法人・公益法人向け支出の見直しなどの観点を踏まえ、事務事業を見直す方針を示した。診療報酬・介護報酬同時改定や、社会保障と税の一体改革に伴う制度改正に関連する費用については、予算編成過程で検討していくことになる。
●医療の自然増は4800億円
閣議決定された概算要求基準では、1兆1600億円にのぼる自然増分を全額認めることも示した。厚労省は部門会議にその内訳を提示。医療4800億円、介護1200億円、年金3000億円、福祉・雇用2600億円としている。(9/22MEDIFAXより)