特別枠、厚労省分は最大2000億円/10年度予算シーリングを閣議了解
政府は7月1日の臨時閣議で、2010年度予算の概算要求基準(シーリング)を了解した。高齢化の進展による年金や医療費の自然増1兆900億円を全額認めるため、社会保障費は過去最大の25.1兆円になる。厚生労働省大臣官房会計課によると、経済緊急対応予備費から捻出する「経済危機対応等特別措置」の3500億円のうち厚労省分として最大2000億円の要求が可能とし、8月末に締め切る概算要求までにメニューを決定する方針だ。
同課によると、社会保障費の自然増分の内訳は、医療が3000億円台半ば、年金が3000億円強、介護が1000億円強、その他が2000億円弱。
自然増分の「可能な範囲での効率化」については「額は示さない」とし、効率化によって発生した財源は診療報酬改定など社会保障の充実に充てることができるとした。また、新たな安定財源が確保された場合は予算編成過程で検討する。
「特別措置」は安心社会実現や経済危機克服、成長力強化など、「骨太の方針09」で示された重点課題のうち、緊急性や政策効果が特に高い施策に重点配分するための枠で、公共事業関係費やその他経費から前年度比3%減の要望基礎額に25%をかけて算出する。厚労省関連では最大2000億円の要求が可能で、医師不足対策などに充てることができる見通しだ。特別措置の最終的な規模は、年末の経済状況を踏まえて決定する。
後期高齢者医療制度の円滑な運営のための対策にかかる経費は、シーリングとは別枠で対応する事項とした。(7/2MEDIFAXより)