物件費適正化分とプラス1.2%で処遇改善/介護報酬改定率
介護職員に対する処遇改善の継続が焦点となっていた2012年度介護報酬改定の改定率は、プラス1.2%で決着した。必要な国庫財源は約255億円。介護職員の給与を月額1万5000円程度引き上げる「介護職員処遇改善交付金」を介護報酬で飲み込む場合は2%に相当するが、厚生労働省は、物価の下落状況を踏まえると0.8%を引いた1.2%で実質的に介護職員の処遇改善継続に必要な財源は維持できているとの認識だ。
介護報酬は、介護サービスの人件費や物件費を踏まえて設定されている。物価が下落傾向にある経済情勢を踏まえ、市場との見合いで物件費が下がっているとすると、介護サービスにかかる費用のうち物件費分は適正化できることになる。厚労省は、適正化分とプラス1.2%分を踏まえた全体で、交付金と同程度の処遇改善が可能になるとの見方を示している。
介護職員の処遇改善をめぐっては、交付金が11年度末で終了することから介護報酬で対応する場合の財源確保に注目が集まっていた。プラス改定で必要となる財源について厚労省は、省予算全体の中から確保するとしている。(12/26MEDIFAXより)