無職者の自殺、有職者より多い/厚労省、自殺の特徴分析
厚生労働省の障害保健福祉部精神・障害保健課はこのほど、人口動態統計について15歳以上の自殺者を対象として自殺特性を分析し、無職者の自殺死亡率は有職者よりも高いとする結果を公表した。
分析対象としたのは、1980−2000年の5年ごとと04−08年の毎年の人口動態統計で、分析は国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所が担当した。
分析結果を産業別に見ると、男女のいずれも有職者より無職者の自殺者数が多く、有職者では直近10年間で男性の第3次産業従事者の自殺者数が増加傾向にある。また、配偶者と死別・離別した人や壮年の未婚者は自殺死亡率が高い傾向にあった。
さらに月別1日当たり自殺者数(04−08年平均)を見ると、3月が91.0人で最も多く、4月の87.5人、5月の86.6人と続いた。12月は72.9人で最も少なく、自殺者は春に多く冬に少ないことが分かった。
厚労省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」は、今回の分析とこれまでに3回行ったヒアリングで有識者から得られた意見などを参考に、近く中間取りまとめを行う予定だ。(4/7MEDIFAXより)