無保険の解消など緊急提言/医団連
保団連も加盟する医療団体連絡会議(医団連)は1月14日、厚生労働記者会で会見を行い、「景気悪化から国民の健康を守る緊急提言」を発表した。保団連・住江憲勇会長が緊急提言の発表と説明を行った。会見には、全日本民医連の鈴木篤会長、日本医労連の田中千恵子委員長らも出席し、東京・日比谷公園で行われた「年越し派遣村」の医療テントの状況や、看護・介護現場の現状について説明した。会見後、麻生太郎首相、舛添要一厚生労働相、各政党に緊急提言を送付した。
医団連の緊急提言では、(1)無保険者の解消と医療費窓口負担の軽減、(2)後期高齢者医療制度の廃止と、高齢者への資格証明書発行の中止、(3)医療費抑制政策の転換と診療報酬、介護報酬の引き上げ、(4)財源は消費税増税ではなく、財政の抜本見直しで行うべきことの4つの柱を立てている。
会見では、民医連の鈴木会長が、「年越し派遣村」に来た労働者の中にガフキー7号排菌の結核患者がいたことを報告。近年ではほとんど見られなかったほどの、重度の結核患者が出ていることを公衆衛生の観点から厚労省は深刻にとらえるべきであると指摘した。その上で、この間、運用が抑制されてきた「無料・定額診療事業」の活用も含め、生活困窮者にも医療を保障するべきであると訴えた。
日本医労連の田中千恵子委員長は、2008年も問題になった急患の「受け入れ困難」の問題について、受け入れを断らないとする病院もあるようだが、人員不足のままそのようなことをすれば事故の危険が高まるとし、また、介護の問題では、労働組合のある施設ですら正規の介護士で月給20万円、ヘルパーで12万円という待遇の悪さが人手不足の原因であるとし、診療報酬・介護報酬の改善が必要であることを強調した。
提言は、メディファクス、キャリアブレインなどの各メディアで報道された。