温暖化防止へ原発活用を勧告/世界の科学者がG8に
2009年7月にイタリアで開催される主要国(G8)首脳会議(サミット)を前に、G8と中国など新興5カ国の学術団体が世界が直面する問題を討議するためローマで開いた「G8プラス5学術会議」(学術団体サミット)は3月27日、地球温暖化防止のため原子力発電の活用を促す共同声明を取りまとめ、閉幕した。
声明は各団体で調整後、「世界の科学者の声」として各国首脳に手渡される予定。温暖化問題への対応のため、スウェーデンやイタリアなどが脱原発政策の転換を表明しており、今回の声明はこうした世界的な原発再評価の動きを後押しすることになりそうだ。
声明は、温暖化防止に向けた低炭素社会への転換に向け「安全で安定した原発の開発と放射性廃棄物処理」が必要と指摘。G8と新興国の政府に対し、安全な原子力確保のための国際協力を促した。
一方、13年以降の温暖化対策を決定する12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、温室効果ガス削減について「50年までに1990年比で50%以上削減」との積極的な目標を設けるよう求めた。会議には日本から日本学術会議の唐木英明副会長らが出席した。【ローマ3月28日共同】