混合診療、全面解禁の声は出ず/民主・規制改革研究会
民主党の参院選のマニフェスト作成で規制改革分野を担当する「地域主権・規制改革研究会」(会長=玄葉光一郎衆院議員)は4月15日、混合診療をテーマに議論を交わした。出席議員からは「基本的には解禁すべきでない」「保険外併用療養の範囲をできるだけ拡大していくべき」などの意見が上がったが、全面解禁を主張する声はなかった。研究会では結論が出なかったため、次回の会合で再度議論する。
民主党の「適切な医療費を考える議員連盟」の会長を務める櫻井充参院議員は「混合診療の解禁は勘弁してもらいたい。今でも、保険の併用を認めているものがある」と指摘。混合診療を解禁した場合の弊害について「高い言い値の医療費を支払わなければならなくなるなど、さまざまな問題がある」と述べ、国民に公平な医療を提供できなくなる可能性を危惧した。
辻泰弘参院議員も「混合診療は認められていないわけではない。規制の下で認められている」とした上で、「ドラッグラグの解消や治験の推進など改善すべき点は多々あるが、それは現行の制度の中で改善すべき。枠組みをつぶして、大きな意味での国民の利益に反することはすべきでない」と主張した。
元経済産業省職員で茨城1区から選出された福島伸享衆院議員は「私は小泉内閣で混合診療の解禁の旗を振っていた。しかし、混合診療の解禁なんて全部、必要ではないと分かっていた。ほかの医療改革を進めていくため、日本医師会を抵抗勢力にするという戦略上やったこと」と述べ、小泉内閣が混合診療解禁を打ち出した背景を説明。その上で「日医の体制が変わった。今の医師会を抵抗勢力に仕立て上げてやるのが良い道なのか、そうではないのかは政治家として考えなければいけない」と指摘した。
一方、大西健介衆院議員は「自由診療を受けた場合に保険診療部分までが自費扱いになるのは、保険給付を受ける権利の侵害であり、患者の自己決定を奪うもの」と訴えた。ただ、「基本的な考えは(混合診療解禁に反対する議員と)違わないのではないか。評価療養などで一部保険との併用が認められているので、この範囲を広げてほしいということ」と述べ、現行制度の範囲を拡大してほしいと付け加えた。(4/16MEDIFAXより)