混合ワクチン検討へWG設置/厚労省推進委
厚生労働省のワクチン産業ビジョン推進委員会は12月25日に開かれ、「混合ワクチン検討ワーキンググループ」(WG) の新設を決めた。日本にどのような混合ワクチンが必要かを議論し、報告書で方向性を示す。月1回開催し、4−6月に中間報告、7−9月に最終報告書をまとめる予定。
厚労省医薬食品局血液対策課の新村和哉課長は同日の委員会で、混合ワクチンについて「最終的には健康局結核感染症課と連携し、予防接種スケジュールの中に盛り込む」と述べた。
WGでは、▽各社の開発状況の確認▽今後の開発計画の確認▽開発上の課題整理▽メリットとデメリットの整理と必要性の検討―の4項目を検討する。
同日の会合では、諸外国に比べて日本のワクチン行政は遅れているとして、厚労省の縦割り行政を改善すべきだとの意見が委員から相次いだ。
厚労省には、医薬食品局が担当する「ワクチン産業ビジョン推進委員会」と、健康局が担当する「予防接種に関する検討会」がある。山西弘一委員(医薬基盤研究所理事長) は、「2つの検討会がどう関連しているのか分かりづらい」と指摘。オブザーバーの岡徹也氏(細菌製剤協会理事長) も、「現在8カ所にまたがっているワクチン管轄部署を一本化してほしい」と要望した。
また、岡部信彦委員(国立感染症研究所感染症情報センター長) も、「予防接種に関する検討会は主に定期接種について議論しており、任意接種について議論する場が少ない。制度論になるが、そうした議題をどこで話すべきかを考えてほしい」と求めた。
新村課長は、「(健康局の) 結核感染症課と適宜、情報交換しながら対応する。省内の組織の在り方についてはここで決めるべきものではない」と返答。これを受けて倉田毅座長(富山県衛生研究所長) は、「厚労省内でも、ワクチン行政の在り方を検討してほしい」と議論をまとめた。(12/26MEDIFAXより)