消費税率10%「高齢者3経費すら賄えない」/日医総研WP  PDF

消費税率10%「高齢者3経費すら賄えない」/日医総研WP

 日医総研はこのほど、国の2010年度決算と12年度予算に基づく消費税と特別会計の分析結果をワーキングペーパー(WP)にまとめた。12年度予算ベースで計算すると、消費税率を10%としても高齢者の医療、年金、介護の「高齢者3経費」すら賄えないと指摘している。

 12年度予算の高齢者3経費は15.1兆円で、基礎年金の国庫負担を2分の1にするための予算を今後の消費増税で償還する「年金交付国債(仮称)」分の2.5兆円を加えると17.6兆円。12年度予算ベースで計算すると、消費税率を10%としても消費税収は16.5兆円で不足することになる。社会保障・税一体改革では、高齢者3経費に若年の医療と少子化対策を加えた「社会保障4経費」に消費税収を充てるとしているが、WPは「社会保障4経費どころか、高齢者3経費すら賄えない」と指摘した。

 現在、消費税収は高齢者3経費に充てることを定めており、「福祉目的化」としている。WPは社会保障・税一体改革で示された消費税収の「社会保障目的税化」については福祉目的化と「同意ではない」とした上で、「目的税化を厳格に解釈すると、社会保障費の国庫負担分は消費税収の範囲内で収めるということになる。不足が発生しても現在のように他の税収や公債に依存することができない」と分析。社会保障費の国庫負担増が必要になった場合、消費税率を引き上げることになると警戒感を示した。

 特別会計については「統廃合だけで歳出削減ができるわけではない」と指摘。08年度に道路整備特別会計、治水特別会計、空港整備特別会計などが社会資本整備事業特別会計に統合されても、「その後の2年間、歳出は大胆には削減されていない」とした。特別会計の積立金は10年度決算で年金積立金が121.9兆円、それ以外が52.4兆円の計174.3兆円。剰余金は41.9兆円に上った。

 特別会計改革については「決算を重視し、スピードアップを図ること、中間決算を実施することが必要」と提言した。(5/24MEDIFAXより)

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