消費税増税中止、医療への「ゼロ税率」適用を 要望署名にご協力下さい
政府は、消費税を2014年4月に8%へ、15年10月に10%へ引き上げようとしている。アベノミクスで株価は上昇し、あたかも景気が回復したかのように見えるが、国民の生活は依然として厳しいままである。このような時に消費税を引き上げれば、97年に5%となった時以上に、国民の生活に与える打撃が大きいものとなることは必至である。
当会が実施した患者アンケートでは、消費税が増税されれば、受診を抑制すると回答した方が約27%あり、国民の健康にとっても、医業経営にとっても大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。また、12年に当会が実施した損税調査では、医療機関によって損税額にばらつきがあり、診療報酬の一律的な上乗せで解消することは到底できないことも明らかである。
協会では、以上のことをふまえ、国民の生活と医療を守るため、地域医療を担う先生方の声を会員要請署名として集約し、政府・関係機関などに要請する。
7月1日現在で、すでに226通の要請署名がFAXで返送されてきている。ぜひ、会員の切実な声を関係機関に届けるために、積極的なご協力をお願いする次第である。
なお、署名用紙はFAXネットにご登録いただいている会員にはFAXで、それ以外の会員には別途郵送させていただいた。第1次締め切りは7月10日。
会員の声 抜粋
◆保険診療の根幹をゆるがすことになるであろう消費税の増税には一貫して反対します。
◆消費税増税を中止し、医療への「ゼロ税率」を確実に適用してください。経営が赤字になりかけております。宜しくお願い申し上げます。
◆現状でも、古くなった医療機器を買い換える余裕がありません。
◆外来、訪問診療で認知症の本人および家族を懸命に支え、訴えを聞くことに努力し、介護職や支援員に助言し必死に働いている零細開業医です。「損税」が拡大すれば潰れるだけです。
◆医療や社会保障は消費ではありません。消費税率引き上げは社会のセーフティネットをさらに消耗させます。憲法25条にも違反します。
◆食料品と医療費については消費税を廃止すべきであると思います。
◆都会の内科・小児科の開業医までつぶれますよ。
◆消費税の増税は断固反対
◆今年度より震災復興支援のためと、今後25年間特別所得税2・1%が課せられることになり、ますます家計を圧迫する中、本当に必要な人に必要な時期により良い医療を受けていただけるよう、これ以上の増税は絶対反対です。
◆福祉医療の充実が、安心して消費行動を促すこともでき、経済活性化につながるのです。地域医療を崩壊させてはなりません。
内閣総理大臣 安倍晋三殿
財務大臣 麻生太郎殿
厚生労働大臣 田村憲久殿
国会議員 各位
消費税の増税を中止し、医療への「ゼロ税率」適用を求める要望
貴職の国政に果たされます重責に敬意を表します。
消費税が2014年4月に8%へ、さらに2015年10月に10%へ引き上げられようとしています。しかし、このデフレ下で消費税を増税すれば、景気・財政は更に悪化します。
保険診療は国の政策として患者さんから消費税を受け取りません。他方で、医療機関は、医療機器、医療材料・介護材料など仕入れに係る消費税を「損税」として負担しています。「損税」は医業経営を圧迫し、患者さんに良質の医療を提供する機会に支障を及ぼしています。消費税の引き上げは、患者さんがますます医療にかかりにくくなるとともに、医療機関の「損税」を増大させ、地域医療の崩壊に拍車をかけるものです。
以上をふまえ、国民の生活と医療を守るため、以下の事項を強く要望いたします。
一、受診抑制と「損税」増大につながる消費税の増税は中止すること
一、社会保険診療報酬にかかる消費税は「ゼロ税率」(=免税)を適用すること