消費税増税で27%が受診手控え 緊急患者アンケートで明らかに
昨年成立した消費増税法により、税率が14年4月に8%、15年10月に10%に、2段階で引き上げられる予定だ。年収500万円の4人家族(会社員の夫、専業主婦の妻、子ども2人)では、10%の消費増税分で年間11・5万円、家計全体で年間33・8万円(11年と16年の比較)の負担増とされている(内閣官房試算)。長年のデフレ下で細る家計には、さらなる節約が迫られることになる。その影響は受診の手控えというかたちで医療機関にとっても降りかかってくるのではないか。患者の意識を調査するため行ったアンケートの結果を報告する。
アンケートは会員医療機関の窓口でハガキを患者さんなどに配布してもらい、協会に返送いただくかたちで5月の1月間で実施。192通を回収した。
消費税が増税された場合の対応について複数選択できいたところ、(1)旅行・レジャーの手控え63%(2)水・光熱費の節約62%(3)食費等の切り詰め57%―の順でそれぞれ5割を超えた。医療機関への受診手控えも27%で4番目の選択となった。自由意見では、現在においても金銭的理由で受診を手控えている苦境などが記載されている。
消費増税についてどう考えるかについては、「内部留保を貯めこんだ大企業優遇をやめ、消費増税ではなく法人税増税を行うべき」が50%、「消費税は引き上げるべきでない」が27%。一方で「社会保障のためには引き上げも仕方なし」が25%。なおひとつのみの選択としたが、複数選択が多いため複数選択で集計した。
なお、回答者の中から抽選で5人の方に図書券を送付した。
自由意見
◆後期高齢者ゆえ、受診を控えるわけにはいかない。別居の息子2人の家族は親子とも治療中断することがあるようで、こちらも年金生活のため助けてやれない。
◆負担が辛いので受診を控えていたところ、救急車のお世話になるところでした。
◆(食費、光熱費)限度がある。(旅行)行ける身分でない。死を待つだけか。子どももいない。充分な医療を受けられず妻が先月死亡した。
◆摂取カロリーが多少減っても死にはしない。受診を控えると死ぬ。