消費税収の使途「合意形成を」/日医総研WP
日医総研はこのほど、「公的医療保険の財源について」と題するワーキングペーパーをまとめた。社会保障費の財源確保に向け、消費税率を引き上げる必要性を指摘。その上で、消費税収を医療・介護・年金にどのように配分していくかについて、国民の合意形成を図る必要があるとした。
2010年度の当初予算では、消費税収(国分)は6.8兆円で、後期高齢者医療や介護、基礎年金などに充てるべき費用より9.8兆円不足していると指摘。消費税率を引き上げ、かつ国・地方の消費税収の配分が変わらないと仮定した場合、現在の不足分を埋めるには消費税率を12%にする必要があるとした。
一方、民主党が09年7月に発表した「民主党政策集INDEX2009」で「消費税5%税収相当分を全額、最低保障年金の財源として投入し、年金財政を安定させる」としていることに触れ「現時点では、医療費の財源としての消費税収にあまり大きな期待はできない」とも指摘。消費税について「年金、医療、介護にどう充当するのかという点をあらためて議論すべき。このままでは仮に消費税率が引き上げられても、年金に優先的に充当されることになりかねない」とし「国民に情報を開示し、国民の合意形成を図ることが望まれる」とした。(6/4MEDIFAXより)