消費税は社会保障財源の中核/政府税調専門委が中間報告
政府税制調査会の有識者による専門家委員会(委員長=神野直彦・東京大名誉教授)は6月22日、消費税の増税など税制抜本改革の論点を示した「議論の中間的な整理」を政府税調に報告した。消費税の使途については、社会保障と関連付けて理解を求めることが重要と指摘している。
日本の財政状況について、専門委は現在の危機的財政状況を放置すれば財政がさらに悪化すると警告。社会保障など公共サービスの実施が不可能になる最悪のシナリオが想定し得るとした。このため無駄の削減などとともに、税収力を回復するための税制の抜本改革が急務とした。
消費税については、景気に左右されない税目であり、広く負担を分かち合う特長から、社会保障財源の中核を担うにふさわしいとした。ただ、消費税を増税すると所得が低い人ほど負担感が強くなるとして「給付付き税額控除」などの留意も必要としている。
専門委は2010年2月から計6回議論を重ね、消費税など各税目について委員の意見を並べた中間報告をまとめた。政府税調は専門委の意見も参考にしながら参院選後に税制改正の議論を行う。(6/23MEDIFAXより)