消費税は原則課税に、特例措置は存続を/四病協の12年度税制要望  PDF

消費税は原則課税に、特例措置は存続を/四病協の12年度税制要望

 四病院団体協議会は8月31日、総合部会を開き、消費税非課税となっている社会保険診療報酬を原則課税に見直すことなどを盛り込んだ2012年度税制改正要望事項をまとめた。東日本大震災で被災した医療機関の復興に配慮した法人税の免除などの税制措置を求めていくほか、新公益法人制度への移行を踏まえ公益社団法人や一般社団法人に対する固定資産税などの減免措置の要望を新たに盛り込んだ。四病協は、今回の税制改正に対する要望については、日本医師会と協調しながら政府に働き掛けていく方針だ。

 社会保障と税の一体改革の動きを踏まえ、医療と介護に係る消費税については、社会保険診療報酬の非課税を見直して原則課税とし、仕入税額控除を認めるよう求めていく。これまでの診療報酬による画一的な補填方式は、個別性の強い医療機関の消費税負担の実態になじまず、税負担の公平性が損なわれているのが現状とし、課税の公平性を確保するには診療報酬による調整では無理があると主張していく。患者や利用者の負担にも考慮した施策も講ずるよう求めていく。

 11年度の政府の税制改正大綱では「事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、10年度の議論を踏まえつつ、12年1年間真摯に議論し、結論を得る」と、特例措置の見直しが示唆されている。四病協は、10年に続き医療機関に対する事業税の特例措置の存続を要望する。消費税や事業税の特例措置などの問題については、従来通り日医と連携し実現に向けて活動を展開していくとみられる。

●社会医療法人取り消し後の一括課税は免除を
 一方、社会医療法人に対する寄付金税制の整備や非課税範囲の拡大、持ち分のある医療法人が相続発生後5年内に持ち分のない医療法人に移行する場合の相続税猶予制度の創設なども、要望事項に盛り込んだ。08年度に制度化された社会医療法人は、7月1日現在で136法人が認定を受けている。四病協は、社会医療法人の認定が取り消された場合、社会医療法人認定後の非課税の累積所得金額全てに一括課税されることのないよう求めていく。

 東日本大震災で被災した東北地方の社会医療法人で、医師の退職に伴う標欠問題が浮上しており、認定取り消し後の対応が急務となっている。(9/1MEDIFAXより)

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