消費税など社会保障財源、議論始動/政府・与党改革検討本部
社会保障制度の将来像と消費税を含む社会保障財源を議論する「政府・与党社会保障改革検討本部」(本部長=菅直人首相)は10月28日、官邸で初会合を開いた。年内に中間取りまとめを行い野党との協議に備える。
検討本部には、政府側から仙谷由人官房長官、野田佳彦財務相、細川律夫厚生労働相ら関係閣僚が出席したほか、民主党の岡田克也幹事長、国民新党の下地幹郎幹事長、藤井裕久前財務相も参加した。本部長代理は仙谷官房長官、事務局長は峰崎直樹前財務副大臣が務める。
高齢化の進展などの影響で社会保障費は毎年約1兆円ずつ増え続けており、国の一般歳出の半分を占める。一方で歳入は国債の発行なしには予算を組むことができず国の借金は800兆円を超えている。菅首相は消費増税を掲げ、2010年の参院選を戦ったが惨敗し、最近は消費税に関する発言はトーンダウンしていた。しかし、消費税など社会保障財源の議論は避けられないとの判断から、政府・与党は検討本部を設置して本格的な議論に入ることにした。
民主党はすでに「税と社会保障の抜本改革調査会(藤井調査会)」(会長=藤井前財務相)を立ち上げ、すでに議論を始めている。政府・与党の検討本部は、藤井調査会と並行して議論を進める。
検討本部の下に学識経験者でつくる有識者検討会を設けることも決めた。検討本部で議論する際の論点を用意する。さらに社会保障・税の共通番号を議論する副大臣級の検討会を設置することも了承した。会長は仙谷官房長官で、総務省、財務省、厚生労働省、経済産業省、内閣府を中心とした副大臣級で構成する。(10/29MEDIFAXより)