消費税と寄付税制で提言/医業経営コンサル協
日本医業経営コンサルタント協会(松田朗会長)はこのほど、医療機関の消費税と寄付金に着目した「医療費財源に関する提言」をまとめた。無駄の見直しを前提に諸外国並みに消費税率(付加価値税率)を上げることを提案。さらに、消費税を医療・福祉の目的税とすることも求めた。10月14日、松田会長が厚生労働省の外口崇保険局長と大谷泰夫医政局長に手渡した。
消費税についてまとめた同協会の調査分析では、2008年度1年間の推計で、医科診療所で2018億円(1診療所単純平均推計202万8000円)、病院で1974億円(1病院単純平均推計2252万3000円)の控除対象外消費税が発生しているとした。このまま放置すれば「医療機関経営に『課税の不公平』による大きなダメージを与え、第3の理由による医療崩壊が起きることは必然」と指摘した。
解決策として▽歳出の無駄の見直し、削減の実施を前提に、諸外国並みに消費税率(付加価値税率)をアップする▽納税者番号によるインボイス方式を採用し、複数税率とする▽消費税そのものを医療・福祉などの目的税とする▽医療機関を課税事業者に改める―の4項目を提言した。
寄付金については、社会医療法人、特定医療法人、そのほかの持ち分のない法人についての税制を改正するよう求め、すべてを特定公益増進法人とすることを提案。その上で、▽贈与者(個人)の譲渡所得課税の審査による非課税は従来通りとし、受け入れた医療法人への受増益課税を非課税にする▽個人から現金預金(譲渡所得の課税対象外)の寄付がある場合、雑益に計上して課税対象とするのではなく、非課税とする―の2項目を求めた。
同協会では、09年11月に「医療費財源に関する検討会」を設置し、検討を重ねて提言をまとめた。(10/20MEDIFAXより)