消費税「引き上げありき」に異論/民主・調査会
民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長=仙谷由人・党代表代行)は5月31日の会合で、前日に開かれた政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」の内容について内閣官房などから報告を受け、議論した。内閣府と財務省が集中検討会議に提出した消費税引き上げに関する資料について「最初から(財源として)消費税ありきではないはず。シナリオができすぎている」など、複数の議員から「消費税引き上げありき」という論調に対する異論が出た。
内閣府と財務省の報告書は消費増税の際の論点を記載したもので、「増税の際は段階的な引き上げ方が望ましい」「軽減税率の効果は小さい」などと記載しており、増税に向けた地ならし的な意味合いを持っている。こうした内容について「逆進性がない、軽減税率に効果がないなどとし、消費税を上げるという結論を導いている」「消費者が選択できるような軽減税率はあってしかるべき」といった反論が参加議員の間から出た。「(増税するなら)痛みを分かち合うというのではなく、将来の不安を払拭するための財源が消費税だと打ち出さねばいけない」という意見もあった。
一方で仙谷会長は「どこかで安定的な財源をつくらないといけないのは間違いない。そういう前提で議論をしてほしい」と求めた。(6/1MEDIFAXより)