消費税、社会保障目的税化の必要性示す/08年度経済財政白書
大田弘子経済財政担当相は7月22日の閣議に、2008年度の年次経済財政報告(経済財政白書) を提出した。白書は日本経済の現状について「景気回復が足踏み状態となった」との見方を示した。さらに、日本経済が直面する「長期」の課題として、高齢化と人口減少への対応を提示。消費税については「国際的にその重要性が注目されている」とした上で、消費税の社会保障への目的税化の検討を進める必要性を示した。
今回の白書は、(1)現在の景気動向、(2)企業・家計のリスク対応力、(3)高齢化・人口減少と財政の問題―の3つの柱で構成。高齢化が財政に与える影響については「国民所得比でみると、年金は横ばいだが医療・介護費が増大していく」との見通しを示した。さらに「社会保障給付費の増大が避けられない以上、負担の増大は避けられない」と指摘した。
また、内閣府の「家計の生活と行動に関する調査」(08年) では、社会保障の負担について、年齢の違いはあるものの「給付削減・負担維持」が「給付維持・負担上昇」を上回ったと報告。負担増や給付の在り方を考えるに当たっては「労働意欲を削がないことが重要」とした。
社会保障制度と税制の関係は、同調査で「消費税の社会保障への目的税化」に賛成とした回答が過半数を占め、年齢が上がるほど賛成割合が高まっていたとした。このほか、高齢化や人口減少の影響は「地域経済において顕著」と指摘。地域の人口集積や行政機能などを踏まえ、財政運営の効率化を図るべきとした。(7/23MEDIFAXより)