派遣労働者の不安、明確に/京都勤労者学園、府内調査

派遣労働者の不安、明確に/京都勤労者学園、府内調査

 京都勤労者学園(京都市中京区) はこのほど、京都府内の非正規雇用労働者の実態調査をした。派遣労働者のうち、44%が派遣になった理由として「正規雇用の仕事がなかったから」を挙げ、7割近くが正規雇用と比べて賃金の格差を感じていると答えた。

 「パート・契約・派遣などで働く労働者の労働実態と意識に関する調査」で、2−3月に実施。非正規雇用労働者1056人(男191人、女865人) から回答を得た。うち、派遣労働者は177人(男53人、女124人)。近年、数が急増していることから、派遣労働者に注目して結果をまとめた。回答者の年齢は20代と30代で計82%を占めた。勤務先企業の業種は「製造」が男女とも6割を超えた。

 年収は、200万−250万円が39%、250万−300万円が20%いた。「主たる家計の担い手」と答えたのは43%だが、男性に限ると81%だった。

 現在の企業での勤続期間は「3年未満」が68%。「今後の働き方」を聞いたところ「今のまま続けたい」が16%だったのに対し、今の勤務先または他の勤務先で「正規社員として働きたい」が計42%に上った。

 調査の担当者は「派遣労働者の不安が明らかになった。安定した雇用が本来あるべき姿であり、派遣制度の廃止、または一定期間を過ぎたら正規雇用にするなどの制度の見直しが必要だ」と話している。

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