法改正で税務調査がどう変わる?改正国税通則法で国税局と懇談  PDF

法改正で税務調査がどう変わる?

改正国税通則法で国税局と懇談

 保団連近畿ブロックは、2月13日に、大阪国税局と懇談を行った。当日は安藤元博大阪協会副理事長・保団連副会長、伴貞興理事、内田亮彦京都協会副理事長、事務局併せて12人が参加した。

 大阪国税局からは、木ノ元隆則総務課長補佐他1人が対応した。

 懇談は、安藤保団連副会長の挨拶で始まり、12年12月16日付で提出した「税務行政の改善を求める要望書」で改善を求めた14項目に基づいて進められた。特に、13年1月から改正国税通則法が施行されることから、税務調査がどのように変化するのかについて重点的に懇談した。

 懇談では、事前通知について「14日前までに行うこと」「書面通知によること」を要望したが、法改正により、手続きが明確化され、「事前通知を予め行う」「相当の時間的余裕を置いて行う」と規定されたが、具体的に何日前と基準を定めることは適当でない。事前通知は電話等で実施し、これまでも電話で行ってきたが円滑に実施されており、今後も従来通り電話で実施すると回答した。

 また、事前通知における調査理由は納税者が納得できる具体的理由を明らかにするよう求めたが、法令事項ではないため、改正趣旨に鑑みて適正に行うという回答にとどまった。

 今回の法改正で新たに規定された、帳簿書類等の物件の「提示」「提出」「留置き」についての意見交換では、「留置き」とは、帳簿類を税務署に持ち帰ることだが、これはやむを得ず留置く必要があり、留置くことが合理的と判断された場合に行われる。あくまでも納税者の理解と協力のもとで実施するとし、納税者の承諾がなければ強制的に持ち帰ることはないと回答した。

 これに対し、保団連側から、書面による通知は法律に禁止事項となっていないため、電話連絡の後に書面通知できるのではないか、法律が変わったのだから、そうした対応を求めるとした。

 また、コンピュータデータの留置きについても見解を質したが、コンピュータデータを預かった場合は、税務署で確実に破棄すると回答。しかし、破棄した日時を納税者に通知することにはなっていないため、通知するよう求めた。

 カルテについては、医師には守秘義務があり、患者との信頼関係を損ねるので開示や持ち帰りを求めないこと、および求めに応じないことをもって調査拒否とみなさないように求めた。

 毎年トラブルが報告される、支払機関からの調書の解釈について、支払基金からの当座口振込通知書の書式が12年6月から変更されているため、通知書の正確な解釈を署員に周知徹底することを求めた。

 また、帳簿類を持ち帰る際の「預り証」は担当者名で発行されるが、調査責任者である税務署長名で発行すべきと改善を求めた。

 最後に内田副理事長より、毎年懇談することで意思疎通が図られることへの謝辞を述べるとともに、税務署側は強要しないと言っていても、調査現場においては強要されていると感じる納税者の受け止め方に配慮をしていただきたいと懇談終了の挨拶を行った。

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