法医解剖数、5年後に倍増を/衆院法務委員有志議員が提言
衆院法務委員会の超党派有志議員は8月28日、法医解剖数を5年後に倍増させることなどを盛り込んだ「死因究明制度改革に関する提言」を保岡興治法務相に提出した。提言では、日本の解剖率は先進国の中で最低水準にあると問題視。CT画像検査の活用など現行制度の改善策を示した。さらに法医学者のほか臨床医なども含めた各界関係者が参加する審議会を設け、抜本的な制度改革も検討するよう求めている。
提言は2008年7月にスウェーデンの死因究明制度を視察した法務委員理事5人によってまとめられた。日本では解剖率の低さから、相撲部屋での傷害致死事件のように正しい死因確定がなされていないと指摘している。
その上で、5年後に法医解剖数を現行の1万5000件から3万件に倍増させることを目標に掲げた。また、20年後には病理解剖を含めたすべての解剖について、欧米先進国の最低水準となる解剖率8%に達するよう求めている。
目標達成に向けた現行制度の改善策としては(1)刑事調査官の増員、警察官の検視・検分の能力向上、(2)CT画像検査などの活用、(3)薬毒物検査の強化、(4)法医学教室の予算確保、専門家育成、(5)監察医制度の運用改善、行政解剖の積極的な実施―を挙げている。(8/29MEDIFAXより)