気温1度上昇で絶滅生物10%増/温暖化対策に自然保護提言  PDF

気温1度上昇で絶滅生物10%増/温暖化対策に自然保護提言

 平均気温が1度高くなるごとに絶滅の危機に瀕する生物種の数が10%ずつ増え、今後30年間に東南アジアのサンゴ礁の88%が失われる可能性があるなど、地球温暖化が生物多様性に大きな悪影響を及ぼすとする報告書原案を、生物多様性条約の専門委員会が1月25日までにまとめた。

 報告書原案は「世界中にある熱帯林が(焼き畑などによって)破壊されれば、今後100年間に4000億トンの二酸化炭素(CO2) が大気中に放出され、世界の平均気温が0.6度上昇する」と、温暖化対策としての自然保護の重要性を強調。森林保護や自然再生を進めれば、温暖化対策と生物保護を両立できると指摘した。

 専門委は多様性条約と気候変動枠組み条約の連携促進のため設置。2010年、名古屋市での多様性条約締約国会議などに報告書を提出する。

 報告書原案によると、温暖化で大地などの乾燥が進み、南米・アマゾンの熱帯林が減少したり、東南アジアなどの泥炭湿地や北極の永久凍土の生態系が破壊され、土壌から大量の温室効果ガスが放出されたりする。これが温暖化をさらに進める悪循環が起きる危険も指摘した。【共同】

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