気温上昇2度以内に/温暖化で主要国会合が宣言  PDF

気温上昇2度以内に/温暖化で主要国会合が宣言

 主要国(G8)に中国やインドなどの新興国を加えて地球温暖化問題を討議する主要経済国フォーラム(MEF)の首脳会合は7月9日夕(日本時間10日未明)、産業革命以来の気温上昇を2度以内に抑えることの重要性に言及した首脳宣言を発表した。

 温暖化抑制のための温室効果ガスの排出削減については「2050年までに相当量を削減するという世界全体の目標を設定するために取り組む」との表現にとどまり、「50年排出半減」などの数値目標には合意できなかった。

 先進国と中国やインドなどの新興国との意見の隔たりが埋まらなかったためで、09年末の合意を目指して進む京都議定書に続く次期の温暖化対策の枠組み交渉の行方の困難さを見せつける結果となった。

 宣言は「世界の気温上昇は産業革命前と比べ2度を超えないようにするべきだとの科学知見を認識する」と、先に発表されたG8の首脳宣言と同じ表現で温暖化の限度に言及。温暖化の大きな被害を抑えるには温度上昇を2度以内に抑えることが必要とされており、主要国として、これを目指す姿勢を示した形だ。

 宣言はまた、「低炭素で気候に優しい技術革新推進のため、研究開発の公的投資を15年までに倍増させる」と国際的な取り組みの重要性を指摘。さらに発展途上国支援のため「国際的な資金の仕組みを作るとの提案をさらに検討する」としたが、具体的な金額などは示さなかった。【ラクイラ(イタリア中部)7月9日共同】

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