民主・鳩山内閣が誕生/「後期高齢者」など課題は山積み
特別国会が9月16日召集され、民主党の鳩山由紀夫代表が第93代の内閣総理大臣に指名された。鳩山代表は直ちに組閣に着手し、新たな内閣の顔ぶれが決まる。民主党がマニフェストや政策集で示した後期高齢者医療制度の廃止のほか、療養病床再編計画の凍結、中医協改革などが、いつまでにどのような形で進められるのかに注目が集まる。
9月15日の民主党両院議員総会で鳩山代表は「政治が変わったと後世から評価されるよう正していこう」と述べ、「脱・官僚依存」の政治を進めていく考えを強調した。民主党は先月末の衆院選で、選挙前の115議席から308議席に躍進。1998年の結党後、初めて政権交代を果たす。一方の自民党は各地で大物議員が落選。茨城6区では元厚生官僚の大泉博子氏が厚労関係議員の重鎮、丹羽雄哉氏を破った。長崎2区では元薬害肝炎原告の福田衣里子氏が久間章生元防衛相を破った。
両院議員総会で鳩山代表は、民主党が大勝した要因について「今の政治は必ずしも国民の期待に応えていない。わらにもすがる思いで、政権を変えるために民主党に1票を投じていただいた」と述べた。その上で「民主党がその期待に応えていかなければ、必ず失望感がこの国を覆ってしまい、取り返しのつかない状況になる」と述べ、緊張感を持って政権運営に当たっていこうと呼び掛けた。
同日付で代表代行から新しい幹事長に選任された小沢一郎氏は「幹事長として職責を全うするよう全力を挙げて努力する」とあいさつした。
両院議員総会には、大泉氏や福田氏ら新人も出席し、後期高齢者医療制度の廃止など、それぞれが掲げた公約の実現に向けて気持ちを新たにした。
議員総会終了後、大泉氏は取材に対し「茨城県医師連盟の支援を受けたからには、私の任務として後期高齢者医療制度の廃止に取り組んでいく」と決意を述べた。廃止後については「マニフェストで示しているように国保に公費を投入する中で医療保険を段階的に一元化していくことになる」とした。
国会での活動については「国会の常任委員会に属するか、政府に入って活動するか分からないが、貢献できるものがあったら精いっぱい取り組みたい」と述べた。民主政権誕生へ、300議席超/自公は歴史的大敗
政権選択を最大の焦点とする第45回衆院選で、民主党は小選挙区、比例代表ともに自民党などを圧倒、過半数(241議席)をはるかに上回る300議席を超え、民主党中心の政権誕生が確実となった。
一方、自民党は公示前の300議席から3分の1程度に激減。1955年の結党以来、最低議席の歴史的大敗となり、麻生太郎首相は党総裁の辞任を表明した。(9/2MEDIFAXより)