民主・新代表に野田氏「基本的にマイナス改定なし」  PDF

民主・新代表に野田氏「基本的にマイナス改定なし」

 民主党は8月29日、両院議員総会を東京都内のホテルで開き、衆参国会議員の投票の結果、野田佳彦財務相を新代表に選出。翌日の8月30日午後、衆院両院の本会議は新首相に指名した。野田氏は代表選挙に先立って8月25日に開かれた民主党の「あるべ
き社会保障と財源を考える会」(会長=長妻昭前厚生労働相)で、2012年4月の診療報酬・介護報酬同時改定について「乾坤一擲のポイントとなる。基本的にマイナスはないだろう」と発言していた。

 代表選には野田氏のほか、海江田万里経済産業相、馬淵澄夫前国土交通相、鹿野道彦農林水産相、前原誠司前外務相の5人が立候補した。1回目の選挙では海江田氏がトップの得票数を獲得したが過半数を確保するには至らず、野田氏との決選投票となった。決選投票で野田氏は215票を獲得。177票の海江田氏を破った。野田氏は代表当選後「ノーサイドにしましょう。同士みんなが汗をかく体制を早急につくり出したい」と、挙党一致を訴えた。

●一体改革に意欲
 野田氏は財務相として「社会保障・税一体改革成案」の策定作業や東日本大震災の復興財源の議論に深く関わってきた。このため、一体改革の推進や復興財源として増税を実施する考え方などは、基本的にこれまでの政府方針を踏襲するとみられる。五十嵐文彦財務副大臣は代表選挙終了後に開いた定例会見で「野田さんが選ばれたことは大変、心強い。借金をこれ以上増大させるほうが今の景気や経済にマイナスだということに、多くの同僚議員が気付かれたのではないか」と述べた。/p>

 社会保障の考え方については、8月25日の「あるべき社会保障と財源を考える会」で多くの発言をしている。野田氏は、一体改革をやり遂げて「社会保障改革と財政再建を両立させる」と宣言したほか、介護現場への人員配置や職員の処遇改善の必要性にも言及し「医師や看護師の労働環境を改善させることは極めて大事」とも述べた。

 次期診療報酬改定については、事務局側の「私たちは前回改定で10年ぶりの(ネット)プラス改定をしたが、12年の同時改定こそ本丸。同時改定に向けた見解を」との質問に対し「基本的にマイナスはないでしょう」と発言した。首相の立場となっても、この発言の通りきちんと「プラス改定」を実現させるのかどうか、年末の予算編成に注目が集まる。(8/30・31MEDIFAXより)

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