民主・医療介護WTはネットプラス要請/提言案に明記
民主党の医療・介護ワーキングチーム(WT、座長=柚木道義衆院議員)は11月29日午前の会合で、2012年度診療報酬・介護報酬同時改定や、社会保障・税一体改革に向けた提言案をおおむねまとめた。診療報酬改定率は「ネットプラス」を目指すことを明記。高額療養費制度の拡充については、WTと厚労省で、所得や治療期間の観点からより負担が重い患者に絞った形で財源を模索する。年末にまとまる一体改革大綱の策定までに複数の案を提言することを目指す。提言案は11月30日の厚生労働部門会議に報告する。
●仕分けは「国民をミスリード」
前回11月22日の会合で議論した提言案では、ネットプラスという文言は入れずに、文脈からそう読ませる方式を採っていた。提言案の書きぶりを変えたのは、本体改定率を「据え置き・抑制」と判定した提言型政策仕分けの影響だ。WT内では「診療報酬が医師の給与だと考えられている」「地域医療の疲弊が理解された議論ではない」「現場の実態を分かっているとは思えない議論が、国民をミスリードする」などの懸念が続出。「ネットプラスとはっきり書かざるを得ない」(柚木座長)と判断した。
示された案では「ネットプラスを目指した対応を政府に求める」としていたが、会合では、より明確にすべきという意見が多かった。これを受け午後の役員会で修文を作成。「ネットプラスを目指すべき」との表現に決まった。
介護報酬改定の関連では、介護サービスを重点化するなどした上で、処遇改善交付金を報酬に加えた以上の引き上げを目指すべきとまとめた。
高額療養費制度の拡充に使う財源は「受診時定額負担に求める選択肢も排除すべきではないという意見も少数あったが、社会保険の理念に反する、患者間で負担を支え合うことになるという反対意見が多数だった」と記載。事実上、定額負担を採用しないよう求める内容にまとめている。
●後発品促進で処方箋様式変さらに言及
医療費適正化については、後発医薬品の使用促進で一歩踏み込んだ。前回は「効果的な取り組みを新たに講じる」としていたが、案では使用促進について「後発品変更不可に関する処方箋の様式を含め、その実現のために効果的な取り組みを新たに講じる」と書き込んだ。後発品への変更の可否を、医薬品ごとに明示する処方箋様式への変更などが念頭にある。(11/30MEDIFAXより)