次期改定へ機能評価係数?の分科会案まとまる/DPC分科会
中医協・DPC評価分科会(分科会長=小山信彌・東邦大医学部教授)は12月9日、次期診療報酬改定に向け、地域医療への貢献などを評価する「地域医療指数」を含む既存6項目の機能評価係数?の見直しに関する分科会案をまとめた。12月14日の次回分科会では、中医協総会への中間報告の文案について議論する方針だ。
提案では、機能評価係数?の中で「地域医療指数」については、次期改定で地域医療計画等での一定の役割を10項目で評価する。これによって病院群の役割や機能の違いに着目した機能分化を促進する仕組みが導入される。例えば「脳卒中地域連携」の項目については、大学病院本院群、高診療密度病院群では「地域連携診療計画管理料を算定した患者数」と「医療資源病名が脳卒中に関連する病名(例えば脳梗塞など)の患者数」の比率で実績評価することを提案。その他病院群では「地域連携診療計画管理料」「地域連携診療計画退院時指導料(?)」または「地域連携診療計画退院時指導料(?)」を算定している患者数と医療資源病名が脳卒中に関連する病名(例えば脳梗塞など)の患者数の比率で実績評価。大学病院本院群、高診療密度病院群に連携計画管理の役割をより重点的に求めている。
「救急医療」の項目では、大学病院本院群、高診療密度病院群では救命救急センターの指定を重点的に評価する。その他病院群は、2次救急医療機関で病院群輪番制に参加している病院などを評価し機能分化と連携を評価している。こうして10項目の実績評価を積み上げ、7ポイントを上限として評価する。
地域医療指数の中に新設する「定量評価」は、所属医療圏で発生した患者数に占める自院患者数の比率で評価する。大学病院本院群と高診療密度病院群では、所属地域での患者数とその3次医療圏で発生する患者数の比率で評価する。DPC対象病院に入院した患者のうち、小児(15歳未満)と15歳以上に分けて評価する。
地域医療指数に投入される財源は、体制評価に2分の1、定量評価の15歳未満と15歳以上にそれぞれ4分の1ずつ配分する予定だ。
これらの提案に対して樫村暢一委員(手稲渓仁会病院副院長)は、「脳卒中地域連携」などについて「(大学病院本院群、高診療密度病院群で)地域連携診療計画管理料を算定していること自体はポイント評価にしないのか」と質問。厚生労働省は「連携体制については施設基準だけでは評価しない」と回答した。
一方、三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、高診療密度病院群の実績要件である「医師研修機能」「高度な医療技術の実施」「重症者診療機能」の3要件の中で、医師の初期研修機能について「福島県で初期研修医の受け入れが減少しており、配慮してもらいたい」と要望した。厚労省保険局医療課の迫井正深企画官は「東日本大震災の影響への一定の配慮をすべきことは認識している。基準自体の緩和を図ることは、なかなかなじまないのではないか」との感触を示した。(12/12MEDIFAXより)