機能評価係数?の審議スタート/中医協・DPC評価分科会  PDF

機能評価係数?の審議スタート/中医協・DPC評価分科会

 中医協・DPC評価分科会は9月21日、機能評価係数?の審議に入った。現行の機能評価係数?は▽地域医療係数▽救急医療係数▽データ提出係数▽効率性係数▽複雑性係数▽カバー率係数―の6項目で評価されている。分科会では、この6項目の中で見直しが必要な点や、6項目以外に次期改定で新設すべき項目などについてフリーディスカッションした。

 美原盤委員(脳血管研究所付属美原記念病院長)は、医療の質の高さと、短期間で退院に導く効率性の両面から「専門病院の在り方を評価してほしい」と要望。新規項目に設定するかどうかを10月の次回会合で継続審議することになった。

 また、病院データの患者への情報開示を新規項目にするかどうかも継続審議になった。この点をめぐっては「緊急入院数などを情報開示し、国民に伝えるだけでも価値がある」という意見と、「情報開示は大変な作業で時期尚早」「開示するならばフォーマットを作る方が先」という意見で見解が分かれた。

 地域医療への貢献度を評価する「地域医療指数」については、金田道弘委員(社会医療法人緑壮会理事長兼金田病院長)が「救急搬送の何割を受け入れているかといったシェアと、医療の質の両方で評価してほしい」と要望。賛同する声も上がったが、美原委員は「シェアを測ろうとすると、地方と大都市で分母の人口が異なる」と反論。次回会合で、地域医療の実態を分析した研究班のデータを提示し、議論を重ねることにした。

 救急医療に必要な医療資源を補償するために導入された「救急医療係数」については、美原委員が「救急医療の体制整備を考慮してほしい」と指摘。次回会合で、受け入れ患者の重症度などが各地の医療機関ごとに異なるデータを提示し、議論することにした。小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)は「救急は現状でも足りない。重点的に評価したい」とまとめた。

 医療機能評価を診療報酬上で反映するかどうかについても意見が交わされ、賛否両論飛び交ったが、三上裕司委員(日本医師会常任理事)が診療報酬での評価に慎重論を述べると、小山分科会長や厚生労働省保険局の迫井正深企画官も評価を見送る方向で同調した。

 2012年4月の診療報酬改定に向けた各係数項目の具体的な算定式の設定や、経過措置の具体化については、改定全体の影響を考慮する必要があるため、改定の方針が定まった後、中医協総会で議論することになる。(9/22MEDIFAXより)

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