機能分化「前倒しで取り組みを」/社会保障改革推進懇が初会合
社会保障国民会議の報告書に基づいた医療・介護などの社会保障機能強化の着実な推進を監督する「社会保障改革推進懇談会」の初会合が2月12日に開かれた。この日は厚生労働省から改革に向けた対応方針が示されたが、委員からは診療所の役割強化など医療機関の機能分化について2012年の診療報酬・介護報酬同時改定を待たずに前倒しで取り組むよう求める意見が出た。
国民会議の報告書に示された医療・介護体制の実現に向けた工程表では、12年の同時改定を機に医療の機能分化の徹底や在宅医療・介護の充実を図り、医療と介護の連携の体系的見直しを図ることが提言されている。
厚労省は同時改定に向けて総合的な検討を進めるとともに、救急など急性期医療の強化については13 年度からの新医療計画に、介護サービス基盤の強化は12年度からの新市町村介護保険事業計画に反映できるよう策定の指針を提示する考えを示した。
また、09年度予算案で勤務医の過重労働対策や救急・周産期医療の体制強化、療養病床の介護療養型老人保健施設への転換整備などを図る方針や、医師養成数増員、医師臨床研修制度の見直しによる医師不足対策などに着手していることを報告。10年4月の次期診療報酬改定に向けては08年度改定による産科・小児科などの勤務医負担軽減策や急性期後の入院医療に対する評価充実の効果を検証する意向も示した。
同懇談会は国民会議座長の吉川洋・東京大大学院教授が再び座長に就き、国民会議の3分科会座長が委員となっている。今後はおおむね月1回のペースで開催し、6月に取りまとめる「骨太の方針」に社会保障機能の在り方について一定の方向性を示す考えだ。(2/13MEDIFAXより)