東京など都市部で採用実績数に届かず/研修医の都道府県別上限
厚生労働省は3月2日の医道審議会・医師分科会医師臨床研修部会で、2008年度の研修医採用実績を用いた「都道府県別の研修医の上限」に関する試算表を提示した。試算によると、全国の研修医総数を「人口分布を勘案して配分した数」と「医学部入学定員を勘案して配分した数」の多い方の数値に「地理的条件を勘案した数」を加えて各都道府県別の募集定員上限とする。
例えば、北海道は「人口分布」で配分すると337人、「医学部入学定員を勘案して配分した数」の試算が295人。両者を比較して数の多い337人に「地理的条件」の面積当たり医師数による加算68人と、離島人口による加算5人を加えた410人が募集定員の上 限となる。08年度の研修医採用実績は313人のため、97人の余裕があることになる。
しかし、京都府は、08年度採用実績274人に対して募集定員上限の試算は190人。上限値と採用実績の差の割合が30.8%と10%を超えるため、経過措置として10%にとどめるよう換算すると、上限は247人に上方修正される。それでも08年度採用実績と比べて27 人足りない。
こうした試算法で各都道府県の上限を算出すると、採用実績に届かないのは東京、神奈川、京都、大阪、福岡の大都市圏となっている。(3/3MEDIFAXより)