来年度の診療報酬改定は「プラス」/自民マニフェスト  PDF

来年度の診療報酬改定は「プラス」/自民マニフェスト

 自民党の政権公約(マニフェスト・7月31日)は、2010年度の診療報酬改定は、救急や産科などの地域医療を確保する観点からプラス改定と明記。社会保障制度を国民の立場で議論する「社会保障制度改革国民会議(仮称)」の設置に向けた法整備を進める方針を盛り込んだ。

 政権公約は「安心」「活力」「責任」を3つの柱に据えた上で、特に記載がない場合は各公約を4年以内に達成する目標を掲げた。

 「安心」の中に位置付けている社会保障分野については、地域医療確保に向け、厚生年金病院と社会保険病院の病院機能を維持する方針を示した。救急医療や産科などを担う勤務医の確保には、医師数増の政策を継続するほか、臨床研修制度を見直し、診療科による医師偏在の解消を目指す。社会保障番号・カードに関しては、11年度中をめどに導入するとした。

 後期高齢者医療制度については、75歳を過ぎた現役サラリーマンが、以前の制度に加入し続けられるようにするなど、年齢による区分の見直しを盛り込んだ。低所得の高齢者に対しては、保険料の9割軽減措置を継続するとともに、外来の患者負担の月額上限を半減する。

 12年度の介護報酬改定についても改定率の引き上げを宣言。連動して上昇する介護保険料は抑制する方針を打ち出した。介護従事者の処遇改善に向け、改善に努める事業主に対して職員1人当たり月平均1.5万円を助成する。また、特養や老健、グループホームへの入所待機者の解消のため、16万人程度が入居できるよう施設整備を進める目標を掲げた。

 医療や介護、少子化対策などに必要な財源については、消費税を含む税制の抜本的な改革に向けた法整備を11年度までに講じた上で、経済状況の好転後に実施するとした。

 一方、財政再建に向けては、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を10年以内に黒字化させる目標を掲げた。さらに、その前段階として5年以内にPB赤字の対GDP比を半減させる方針も示した。(8/3MEDIFAXより)

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