本体財源は医科4700億円/診療報酬改定  PDF

本体財源は医科4700億円/診療報酬改定

 厚生労働省によると、2012年度診療報酬改定の本体改定率プラス1.379%は約5500億円の財源に相当し、内訳は医科がプラス1.55%で約4700億円、歯科がプラス1.70%で約500億円、調剤がプラス0.46%で約300億円に当たる。ネットのプラス0.004%は、保険料ベースに換算した場合、年間1人当たり6円の負担増となる。

 薬価・材料価格を合わせた改定率はマイナス1.375%で約5500億円に相当し、診療報酬本体に振り向ける。薬価の改定率は医療費ベースでマイナス1.26%、薬価ベースでマイナス6.00%。財源は約5000億円。材料価格の改定率はマイナス0.12%で、約500億円の財源となる。

 厚労省は12年度の保険医療費を約39.9兆円、医科・歯科・調剤の技術料を約30.5兆円、薬剤費を約8.4兆円、医療材料費を約1.1兆円で計算している。

 保険局医療課は医科・歯科・調剤の改定比率が「1対1.1対0.3」となったことについて「医療費全体に占める各科技術料の割合が1対1.1対0.3なので、今回はそのまま各科に財源を割り振り、比率を出した」と説明している。08年度診療報酬改定までは「1:1:0.4」の改定比率が続いていたが、医療課はその時点では歯科が低く抑えられていたとの認識。医療課は「割合はその時々の状況に応じて変わるものだ」と説明している。

●追加引き下げ250億円、実質はマイナス改定か
 後発品のある先発品(いわゆる長期収載品)の薬価を強制的に引き下げる「追加引き下げ」も行う。政府の後発品使用目標に満たない分を、一定割合で引き下げ、財政調整に充てる特例的な措置で、薬価ベースでマイナス0.9%、約250億円の財源となる見通し。対象品目が長期収載品だけなのか、後発品などそれ以外の品目も含まれるのかについて、医療課は「検討中」としている。追加引き下げで捻出された財源は、診療報酬本体には回らず、国庫に納まることになる。もし約250億円の追加引き下げを通常の薬価改定と合わせれば、薬剤費の圧縮額は約5250億円となる。この場合の薬価改定率は医療費ベースでマイナス1.32%、薬価ベースでマイナス6.25%。材料価格改定と合わせると、医療費ベースでマイナス1.44%となり、実質的に次期改定はネットでマイナス改定とみることもできる。

 医療課によると「財務省が最後までこだわったのが追加引き下げ」だという。当初、財務省は長期収載品の追加引き下げを10%で提示していたが、厚労省は「ルールが明確化されていない中での大幅な引き下げは納得が得られない」と主張し続け、最終的には厚労省が提示する約250億円の引き下げだけで押し切った。(12/26MEDIFAXより)

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