本人確認に「問題」と指摘/総務省、保険証の交付など改善要請
総務省は9月11日、申請者の本人確認が必要な、国民健康保険証の交付など12の行政手続きと金融機関の預貯金口座開設業務について、第三者が入手する可能性がある納税証明書があれば手続きができるなど「本人確認の方法に問題がある」と指摘した調査結果を発表した。
同省は「他人に成り済まし健康保険証を作り、借金をする悪質な例もある」としており、厚生労働省など関係11省庁に対し、確認方法の改善を要請する。
調査は2006年8月から11月にかけ、取扱件数が多い本人確認が必要な79の行政手続きと民間の3業務について、官民の約1000機関を対象に実施した。
確認方法に問題があるとした手続きは、納税証明書などで本人を確認している国民健康保険証の交付のほか、(1)住民票の写し(07年9月から健康保険証の提示を追加) による原動機付き自転車運転免許の付与、(2)戸籍謄本や母子保健手帳などによる納税証明書(市町村税) の交付―など。
住民票の写しや戸籍謄本なども本人が取得後に民間企業などに提出し他人の手に渡ったり、第三者が取得したりする危険性があるが、証書の信頼性が高いことなどから総務省は「行政機関がそれ以上の確認作業をしていない」とみている。
このため同省は不十分な本人確認によるトラブル防止に向け、関係省庁に証書だけでなく、面談で家族構成を確認するなど、複数の確認方法を組み合わせる方法の検討を求める。【共同】(9/16MEDIFAXより)