未受診妊婦問題「胎児虐待も」/日産婦医会  PDF

未受診妊婦問題「胎児虐待も」/日産婦医会

 「児童虐待問題は周産期から始まっている」。日本産婦人科医会(寺尾俊彦会長)は2月9日、東京都内で定例の記者懇談会を開き、妊婦健診を受診せずに出産する「未受診妊婦」の問題点として「胎児虐待」の状況を紹介した。

 母子保健委員の光田信明・大阪府立母子保健総合医療センター産科主任部長は、2009年に大阪府の分娩施設を対象に実施した未受診妊婦調査を報告し、妊婦健診を受けていれば分娩時産褥合併症や母胎感染症などの医学的問題は少なくなると強調した。調査結果から未受診妊婦の背景には、貧困や家庭内暴力、望まない妊娠、無保険、違法行為などの要因が潜んでいた。

 09年中に大阪府内では152件の未受診妊婦の分娩があり、割合は1000分娩当たり約2件だった。死産は3例、未受診妊婦の周産期死亡率は19.7%で、40年前の大阪府での死亡率並みに高い。未受診妊婦の新生児の32%はNICUに入院していた。光田氏は、胎児虐待が周産期死亡や新生児仮死の一因になっている可能性を示唆した。(2/10MEDIFAXより)

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