未収金、損金処理が大幅増/09年度厚労省委託調査  PDF

未収金、損金処理が大幅増/09年度厚労省委託調査

 医療機関の未収金の損金処理が大幅に増加していることが、5月7日に厚生労働省が発表した2009年度医療施設経営安定化推進事業の「08年度病院経営管理指標」の調査報告書で分かった。08年度末の損金処理額は06年度末に比べて34.0%増加していた。損金処理が増加する中で、08年度末の未収金額は医業収益の約2%を占めており、未収金問題の深刻さがあらためて浮き彫りになった。

●1件当たりの未収金額も増加
 1医療機関当たりの未収金額の平均は06年度末が6281万円、07年度末が5974万円、08年度末が5965万円とほぼ横ばいだった。一方、損金処理額は06年度末で433万円、07年度末が501万円、08年度末が581万円と増加傾向にあり、結果的に医療機関の負担が増加していることが明らかになった。08年度末では未収金額に占める損金処理額の割合が9.7%に上っていた。

 また、1件当たりの未収金額が1万6911円(06年度末)から、1万8570円(08年度末)に増加していた。

●回収努力は電話督促が3割
 医療機関の回収の取り組みについては「電話督促」が30.4%と最も多かった。次いで「文書催促(一般文書)」が29.4%、「訪問」が18.4%となった。「裁判所による支払催促」は2.8%、「債権回収業者の利用」は2.2%にとどまった。

 未収金の回収対応の履歴管理は84.9%の医療機関が行っていた。一方、未収金の回収対応策を検討する会議を開催していた医療機関は43.1%と半数以下だった。

 同報告書は病院の経営状況などを調査し、指標として公表することで病院の経営改善の参考にすることが目的。厚労省医政局が調査を委託している。09年度は未収金の問題にも焦点を当てた。医療機関に調査を実施し、医療法人1030病院、公的病院603病院の計1633病院から有効回答を得た(有効回答率22.9%)。(5/10MEDIFAXより)

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