有床診懇談会 管理栄養士配置義務化を憂慮する声も
入院診療計画等「5対策」を解説
保険医協会は2月28日、府内の有床診療所を対象に「有床診療所懇談会」を開催。16の有床診療所から23人が出席した。
許可ベッドがあるものの、事実上休床となっているもの、産婦人科のように入院のほとんどが自費であるものなど、有床診療所の形態はさまざまであるが、今回は、診療報酬上、入院料を算定するに当たって取り組むことが必須とされている「5対策」を中心に懇談した。
入院料「5対策」とは、(1)入院診療計画、(2)院内感染防止対策、(3)医療安全管理体制、(4)褥瘡対策、(5)栄養管理体制─の5つ。委員会の設置等、それぞれに施設基準要件が定められており、入院料を算定するためには、それら要件を満たしておく必要がある。
しかし、有床診療所に対しては、入院料等施設基準届出後、近畿厚生局による適時調査(施設基準要件を満たしているかどうかの確認調査)が実施されていないこともあり、これら「5対策」が要件通り実施されていないケースも多い。そこで「5対策」整備のポイントを解説した。
また、京都市では、医療法に基づく立入検査が、全ての有床診療所に対し、13年度から定期的に実施される予定になっていることから、この立入検査にも注目。検査の目的は、休床にしている病床の返上を求めることでは決してないことを説明した上で、どのような内容がチェックされるのか、情報提供した。
さらに、入院料「5対策」のうち、(2)院内感染防止対策及び(3)医療安全管理体制については、医療法上も整備が求められているが、内容が全く同じというわけではないことから、どちらにも対応・整備できるよう、ポイントを解説した。
意見交換では、個別的な事例についての対応方法が質問されたため、回答するとともに、有床診療所に事務局を派遣しての個別援助を無料で行っていることを紹介した。また、入院料「5対策」の(5)栄養管理体制における管理栄養士配置の義務化ついて、現在は経過措置期間とされているが、次回改定で完全に義務化されることを憂慮する声が上がった。これについては、保険医協会においても引き続き対策を進めていくことを約束した。