日赤病院、9割医師不足/必要数800人近く
日本赤十字社は8月21日までに、全国で運営する92病院の08年度の医師不足状況調査をまとめた。9割の病院が医師不足を訴え、足りないとする医師数の合計は796人に達した。この1年間で、不足と答えた病院は6病院、不足人数の合計は182人それぞれ増加。北海道と東北、中国・四国は管内の全病院が不足を訴えており、日赤は「地方での医師不足は依然深刻」としている。
日赤は2006年から医師不足調査を毎年実施。3回目となる今回もこれまで同様、足りないとする診療科と医師数を4月1日現在で各病院に自己申告させた。
その結果、89.1%に当たる82病院が何らかの診療科で医師が足りないと回答。不足医師数は33診療科796人に上った。
診療科別で、不足人数が最も多かったのは内科系で226人。次いで産婦人科系68人、小児科56人、外科系48人、麻酔科46人と続いた。
医師不足の理由(複数回答) は「医師が大学に戻った後補充困難」(27.3%) 「他病院に行った後補充困難」(25.2%) 「大学医局からの補充困難」(10.3%)の順に多かった。不足ではないものの、「医療の質の向上」(3.9%) や「診療体制の強化」(3.3%) のためさらに医師が必要との回答もあり、日赤は「高い水準の医療を提供するため、医師がもっと必要だという声も多い」としている。(8/22MEDIFAXより)