日本発の医薬品・医療機器を/医療イノベーション推進室が発足
政府は1月7日、内閣官房に医療イノベーション推進室を発足させた。室長に就いた中村祐輔・東京大医科学研究所ヒトゲノム解析センター長は、医療分野の国際的な遅れは国の経済基盤を揺るがしかねないとの危機感を示し「日本発の医薬品、医療機器の開発に向けて取り組んでいきたい」と語った。
中村室長はこの日、菅直人首相から内閣参与に任命された。室長代理には、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一・島津製作所フェローと、岡野光夫・東京女子医科大先端生命科学研究所長が就いた。官庁の部署のトップに大学や民間の研究者が顔をそろえるのは異例だ。次長以下のポストには、産官学から人材が集められた。
推進室は、政府の「医療イノベーション会議」(議長=仙谷由人官房長官)を支える役割を担う。医療政策に関わる厚生労働、文部科学、経済産業の3省の縦割りをなくし、医療イノベーションに向けた産官学一体のオールジャパン体制の構築を目指す。各省の研究開発費の一体的運用や、将来のゲノム医療を見通したデータベース整備などにも取り組んでいく構えだ。
政府はこの日、医療イノベーション会議のオブザーバーとして、矢崎義雄・国立病院機構理事長、嘉山孝正・国立がん研究センター理事長、近藤達也・医薬品医療機器総合機構理事長、長谷川閑史・日本製薬工業協会長ら12人を選んだと発表した。(1/11MEDIFAXより)