日本の薬価、最大で欧州の1.44倍/医療課調査  PDF

日本の薬価、最大で欧州の1.44倍/医療課調査

 厚生労働省保険局医療課は2月27日、日米欧5カ国の薬価の国際比較の調査結果を示した。日本の薬価をドイツ、フランス、英国の欧州3カ国の平均価格と比べると、2010年度薬価では、円高レートだと欧州と比べ1.44倍、円安レートだと0.88倍となった。

 医療課の調査は診療側の安達秀樹委員が12年5月の中医協総会で、日本の薬価が欧州に比べ高いとする全国保険医団体連合会の調査結果を引き合いに、薬価の国際比較のデータを出すよう求めていたことに対する回答だ。

 保団連の調査は10年度の国内市場規模(メーカー出荷額)上位100位までの薬剤で、欧州3カ国と米国のうち3カ国以上で薬価が判明した薬剤77品目を対象に調査。医療課では77品目のうち日本と欧米で規格が異なるなどの理由で10品目を除いた67品目で比較した。

 10年度薬価について、保団連の調査では欧州との比較で1.29倍だったが、医療課の調査では円高レートだと1.44倍だった。また、欧州だけでなく、薬価が突出して高い米国の薬価を加えて日本と比較すると1.06倍と倍率が緩やかになった。調査結果について医療課は為替レートが薬価に大きく影響しているほか、日本の方が薬価が高い高血圧薬などが比較薬に多く含まれていること、日本の市販後の安全対策が手厚いことが複合的に影響しているとした。

 医療課の調査結果について、安達委員はアメリカの薬価が高額になる傾向にあると指摘した上で、原価計算方式で外国平均価格を含める時の薬価算定ルールについて見直しが必要との認識を示した。(3/1MEDIFAXより)

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