施設職員の高齢者虐待、通報件数が減少/厚労省調べ  PDF

施設職員の高齢者虐待、通報件数が減少/厚労省調べ

 厚生労働省は11月22日、2009年度の高齢者虐待防止法に基づく高齢者虐待の実態調査結果を発表した。介護施設職員らから虐待を受けたとの相談・通報件数は408件で前年度より9.5%減り、06年度の調査開始以来、初めて減少に転じた。うち虐待と判断されたのは76件で前年度より8.6%増加した。

 相談・通報件数の減少について厚労省老健局高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室は、家族らからの相談・通報件数が大きく減少しているとし「やむを得ない事情で身体拘束をする場合に、家族らへの説明の徹底が進んでいるのではないか」とみている。

 施設職員らによる虐待が認められたケース(重複あり)を見ると、最も多かったのは「身体的虐待」の69.7%で、「心理的虐待」34.2%、「性的虐待」10.5%などが続いた。虐待を受けた人の75.4%を女性が占め、要介護3以上の人が71.7%、80代の人が48.6%に上った。虐待した側の職種の内訳は、介護職員が77.8%、看護職員が6.7%、施設長が4.4%など。年齢層別では30歳未満が最も多く23.3%、30代が21.1%で、両者を合わせて44.4%を占めた。

 介護保険法または老人福祉法に基づき、人員、設備、運営に関する基準が遵守されていないとして、市町村または都道府県が「改善命令」を出したケースが1件、「改善勧告」を出したケースが6件あった。

●家族らの虐待は1万5000件余り
 家族らから虐待を受けたとして相談・通報されたケースは2万3404件で前年度比7.9%増。うち虐待と判断されたのは1万5615件で同4.9%増だった。虐待した人と受けた人が同居しているケースが86.4%に上った。(11/24MEDIFAXより)

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